伊予の国:菩提の道場
遍路道中図   四国遍路表紙
40番〜65番札所             土佐の国:修行の道場 

40番札所 平城山 観自在寺                          拡大
39番札所から 25.8km、車 30km。
  山号が示すように、かっては平城天皇など皇室とゆかりが深く七堂伽藍も整い、48の末寺
を持つ大寺と伝えています。
  山門の先左側に 「十二支守本尊八体仏」 がずらりと並び正面が本堂、その右が太子堂で
す。  何故か大師堂の賽銭箱の上に五鈷杵?が置かれていた。
  八体仏前の蛙の石像が面白い。
                    栄 かえる  一、親子孫と三かえる  一、お金がかえる
                            一、福がかえる      一、病気が引かえる 
  所在地 愛媛県南宇和郡御荘町


41番札所 稲荷山 龍光寺                           拡大
40番札所から 50.2km。
  土地の人々から 「お稲荷さん」 と呼び親しまれており、明治の神仏分離令以降 旧本堂が稲
荷神社となっています。
  土地の庄屋が河原でうたた寝中 龍に襲われたが、腰の刀が自然に抜け龍の目玉をくりぬ
いたと云う伝説にちなむ 「龍の目」 が奉納されているとか。
  石門の手前左が本堂・大師堂で、正面の高い石段の上が旧本堂の稲荷神社です。

  所在地 愛媛県北宇和郡三間町


42番札所 一課山 仏木寺                           拡大
41番札所から 約2.6km。
  門前左の広い路側帯が駐車場です。 仁王門をくぐると、右側の珍しい カヤ葺 きの鐘楼が
目を引きます。
奥に進むと本堂・大師堂が、そして家畜の守護仏を祀る家畜堂が並んでいます。
  近郷の農民から信仰をあつめていたが農耕用牛馬がいなくなった今、そのお守りを買う人も
いなくなったとか。

  所在地 愛媛県北宇和郡三間町


43番札所 源光山 明石寺                           拡大
42番札所から 約10.6km、車 16km。
  仁王門をくぐり、正面石段を登ると本堂、大師堂です。
ご詠歌の 「聞くならく 千手ふしぎの ちかいには 大盤石も 軽くあげ石」 とうたわれ、土地の古
老たちに「あげいしさん」 と呼び親しまれています。

  所在地 愛媛県東宇和郡宇和町


44番札所 菅生山 大宝寺                           拡大
43番札所から 69.1km、車 90km。
  標高 560mに建つ寺で、この寺を打つと四国霊場の半分をお詣りしたことになる。
昼なお暗い参道の先、仁王門をくぐり、石段を登り切ると本堂・大師堂が並んでいます。
  大師が堂塔を整え開創された年号をとって大宝寺と号したと伝えています。

  所在地 愛媛県上浮穴郡久万町


45番札所 海岸山 岩屋寺                           拡大
44番札所から 8.4km、車 13km。
  標高 670mに建つ寺で、樹木に囲まれ薄暗く急な坂道を 800mほど登ります。
山門をくぐり、右に左に折れ曲がる石段を登り切ると、覆いかぶさるような巨岩の下に本堂が、
その左に大師堂が建っています。
  その巨大な岩山を金剛界峰、胎蔵界峰と呼び、山そのものを本尊としています。
参道には千躰仏がずらりと並んでいた。

  所在地 愛媛県上浮穴郡美川村                      


46番札所 医王山 浄瑠璃寺                          拡大
45番札所から 15.8km、車 25km。
  石段を登ると正面に本堂、右が大師堂です、本堂手前左に 「仏足石」や「仏手花判(ほとけ
の指紋)」などが祀られています。
  ご利益のあるものが他にも多数有るらしく 「ご利益のよろず屋」 と云われており?、小ぢん
まりとした緑豊かな境内に参拝者があふれていた。
  本尊の薬師如来がいるとされる場所(浄瑠璃浄土)を寺号にした寺です。

  所在地 愛媛県松山市浄瑠璃町


47番札所 熊野山 八坂寺                           拡大
46番札所から 0.8km。
  どっしりとした大きな山門が常識?、小さい朱塗りの橋の上に建つ、小さな楼閣のような山
門です。  その山門をくぐり、石段を登ると正面が本堂、その左が大師堂です。 
八つの坂道を切り開いて建てたので寺号を八坂寺としたとか。
  遍路の元祖と云われる衛門三郎ゆかりの地です。 子供が死んだのは托鉢僧姿の大師に乱
暴な言動をしたのが原因と考え、大師の後を追い続けたと云われています。

  所在地 愛媛県松山市浄瑠璃町


48番札所 清滝山 西林寺                           拡大
47番札所から 4.5km。
  田園の中、川の土手より低い所に建つ寺で、境内が遍路道より低いのは八十八札所中ここ
だけと云われています。 それを、無間地獄にたとえ罪ある者が門を入ると奈落の底へ落ちる
と云い伊予の関所寺とも呼んでいる。
  仁王門をくぐり、石段を登ると本堂、大師堂、鐘楼が並んでいます。
本尊の十一面観音菩薩は秘佛で後ろ向きに立っているとか、本堂の裏側からお参りするお遍
路さんもいるようです。
また、境内の池に鎮座している 「一願地蔵」 は一つだけ願いを叶えてくれるそうです。

  所在地 愛媛県松山市高井


49番札所 西林山 浄土寺                           拡大
48番札所から 3.2km。
  山を背にした明るい境内で、仁王門をくぐると、右に鐘楼、石段の上に本堂、その右が太子
堂です。  空也上人ゆかりの寺で諸国を行脚し、橋をかけ井戸を掘るなどして民衆のために
尽くした修行僧です。
  村人の懇願により 「南無阿弥陀仏」 を唱えている自像を刻んで残したと云われており、上人
像は ここと京都の六波羅蜜寺にしかないそうです。

  所在地 愛媛県松山市鷹子町


50番札所 東山 繁多寺                             拡大
49番札所から 1.7km。
  地元では 「畑寺」 とも呼ばれ親しまれている。
山門をくぐり、先の石段を登ると右に鐘楼、その先の石段の上が本堂、その右が太子堂です。
  本堂の左、鳥居の先の聖天堂には四代将軍家綱の念持仏三体の一つである歓喜天が祀
られているそうです。

  所在地 愛媛県松山市畑寺町

51番札所 熊野山 石手寺                           拡大
0番札所から 2.8km。
  土地の人々から 「石手の お大師さん」 と呼び親しまれ参拝者の香煙が絶えないそうです。
土産物屋が軒を並べる屋根付き参道をしばらく進み、仁王門をくぐると正面石段の上に本堂と
大師堂が、そして右手前に均整のとれた三重塔と鐘楼が建っています。
  境内は広く 種々な建造物が多い、訶梨帝母天堂前の小石の山は、産婦がこの石を持ち帰
り産後に、借りた石と安産お礼の石を持参した安産祈願らしい。
  道後温泉が近いため?、お遍路さんと観光客が入り乱れ 大賑わいの境内でした。

  所在地 愛媛県松山市石手


52番札所 瀧雲山 太山寺                           拡大
51番札所から 11.8km。
  住宅街を過ぎた山中に建ち、開運招福の寺、縁結びの寺として知られています。
駐車場から ほの暗い急勾配の参道を納経所を右に見ながら 300mほど歩き、急な石段を登
り山門をくぐると正面が県下最大の古い建築物と云われている本堂です。
  広い境内には開基した真野長者をまつる長者堂など見所満載で、大師堂は境内奥の一段
高いとこに建っています。

  所在地 愛媛県松山市太山寺町


53番札所 須賀山 円明寺                           拡大
52番札所から 2.5km。
  お遍路さんは札所順拝の際 納札をお寺に納めて行きます。  現在は紙札ですが昔は木
札、まれに金属札もあったようで、今から 357年前、慶安三年と刻まれた銅板の納札が遺っ
ているそうです。
  道沿いの小さな門をくぐると、左が大師堂、右が鐘楼、すぐ先の二層の中門をくぐると正面
が本堂です。
  境内には聖母マリア石像があります、昔キリシタンが密かにお参りしていたのかも。

  所在地 愛媛県松山市和気町


54番札所 近見山 延命寺                           拡大
3番札所から 34.4km。
  駐車場は仁王門横を通ってすぐ先です。  今治城の城門の一つだったと云う山門をくぐる
と、境内は広がり、左に巡礼用品屋?右にテント張りの土産物屋?が並んでいます。
  正面の段数少ない石段を登ると本堂です。 そして、本堂左のキツイ石段を登り切ると大師
堂です。  明治の郵便制度が出来る前は、53番と同じ 寺号 「円明寺」 だったとか、誤配達が
多く 「延命寺」 にしたそうです。

  所在地 愛媛県今治市阿方


55番札所 別宮山 南光坊                           拡大
54番札所から 3.4km。
  明治の神仏分離令により隣の別宮大山祇神社の 「大通智勝如来」 を本尊として分離独立
した、四国札所で唯一 寺号に 「坊」 がつく寺です。
  大師堂と金毘羅堂を除き先の大戦でほとんど焼失したとか、樹木も少なく明るい境内です。
四天王が仁王像みたいに立つ新しい山門をくぐると、右に太子堂、正面が本堂です。
本堂は昭和56年再建のコンクリート造りだとか。

  所在地 愛媛県今治市別宮町


56番札所 金輪山 泰山寺                           拡大
55番札所から 3.0km。
  石垣で囲まれた高台に白い塀をめぐらせた、左右に細長い境内に建つ寺です。
短い石段を登った石門の先正面が本坊、その左が本堂です。  石門の右奥?に大師堂・手
前?に今治城内にあった太鼓楼の古材で再建したと云う鐘楼があり、傍には、3代目と云われ
る大師お手植えの「不忘松」 があります。

  所在地 愛媛県今治市小泉

57番札所 府頭山 栄福寺                           拡大
6番札所から 3.1km。
  山裾に佇む緑に覆われた小ぶりな寺で、短い石段を登ったすぐ右が大師堂、正面奥の一段
高いとこが本堂です。
  明治の神仏分離令により 山頂の八幡宮から分離独立した寺で、地元の人々は 「八幡さん」
と呼び親み、海陸安全・福寿増長をお祈りしているとか。

  所在地 愛媛県越智郡玉川町

58番札所 作礼山 仙遊寺                           拡大
57番札所から 2.4km。
  仙人が遊ぶ寺?、仙人が住んでいた伝説が残る標高 340mの作礼山々頂に建つ寺で、中
腹に建つ立派な仁王門を左に見て車参道を登ると本堂脇に駐車場があります。
  車から降りるといきなり本堂で、本堂左奥が大師堂です。
大師堂前には仁王門に下る恐ろしく急な石段が、そして、大師像の足下には四国八十八札所
の石仏が並んでいた。

  所在地 愛媛県越智郡玉川町


59番札所 鐘光山 国分寺                           拡大
58番札所から 6.1km。 伊予の国の国分寺です。
  伊予の国府跡の瀬戸内海に近い平地に建つ寺で、風格のある灯籠門?参道を進み 30段
ほどの石段を登り切ると石門の先正面に本堂、右に大師堂があります。
  広い境内には、握手修行大師・薬壺・とくとく弁天・七福神などご利益のある?ものを沢山祀
っていた。

  所在地 愛媛県今治市国分

60番札所 石鉄山 横峰寺                           拡大
59番札所から 27km、車 65km。 四国遍路三番目の関所です。
  標高1982m、西日本最高峰の霊峰石鎚山の中腹に建ち、かっては四国霊場最大の難関
として知られた寺で、最近まで自分の足で急な坂道を 2時間余も登っていた。
  いま、寺への道は、細い町道を登り、さらに寺道有料ゲートで ¥1,400円を支払い 6Km
ほど登ると山頂駐車場です。  そこから、山門も通らず本堂まで 15分ほどの下り道(帰りは
登り道)で、先ず太子堂、少し先に本堂、右のキツイ石段下が納経所です。
濃い霧・杉の巨木に包まれ シーンとした境内、神秘的な空気が漂いまさに修行霊場の雰囲気
でした。
  所在地 愛媛県周桑郡小松町石鎚


61番札所 栴檀山 香園寺                           拡大
60番札所から 9.6km。
  「これが札所?」 誰もが驚く?、これまでの寺とは趣を異にした鉄筋コンクリート 2階建ての
体育館のような建物で本堂と大師堂が一緒になっています。
1階は講堂、2階は正面に本尊大日如来を安置し 600人ほど収容できる椅子席ホールです。
  「安産、子育て、身代わり、女人成仏」 の寺として地元の人々の信仰を集めています。
宿坊も鉄筋コンクリート造りで 300人ほど泊れ、銭湯並の大浴場があるとか。

  所在地 愛媛県周桑郡小松町南川


62番札所 天養山 宝寿寺                           拡大
61番札所から 1.3km。
  国道沿に建つ寺で、境内入口に 「一国一宮宝寿寺」 と刻んだ古い石碑が建っています。
境内工事のため山門解体保存中?、石碑の先、正面奥が本堂?ですが工事中、右奥が仮本
堂?、右手前が大師堂です。
  境内入口左には僧・真念が建てたと云う道標などが 6基ほど並んでいた。
何故か納経帖への墨書朱印をいただくのを忘れ、2日後再度訪れた。

  所在地 愛媛県周桑郡小松町新屋敷


63番札所 密教山 吉祥寺                           拡大
62番札所から 1.4km。
  62番同様国道沿に建つ寺で、象の狛犬?と灯籠を配した城門のような山門が入口です。
山門の先、正面奥が本堂、その左が大師堂です。
  四国札所の中で本尊が毘沙門天はここだけ?、境内の八角堂に六福神を安置、本尊の毘
沙聞天を合わせ七福神になります。  ご本尊の 「毘沙聞天」 は 「門」 でなく 「聞」 でした。
  境内には 「成就石」 や 「くぐり吉祥天女」 など ご利益のある?建造物が多くあります。

  所在地 愛媛県西条市氷見


64番札所 石鉄山 前神寺                           拡大
63番札所から 3.2km。
  日本七霊山の一つ、標高 1981mの石鎚山の山麓に建ち、山岳信仰の道場として知られ
ています。
かっては山頂の石鎚神社と一体でしたが明治の神仏分離令により一時廃寺、後に再興した。
寺号に「神」 を使えない時期があり 「前上寺」 ⇒ 「前神寺」 とした。
  山門をくぐり、参道を道なりに進み、左折すると右に鐘楼、右折すると左に太子堂、石段を
二つ登り切ると山を背にして本堂が建っています。
  本堂手前右の石段を登り切ると石鎚権現堂です。

  所在地 愛媛県西条市洲之内                            


65番札所 由霊山 三角寺                           拡大
64番札所から 44.6km、車 50km。
  70段余の急な石段を登り切ると梵鐘を吊り下げた仁王山門があります。  鐘をつき中に
進むと正面に庫裡、その左が本堂、短い石段を登ると太子堂です。
  子授け安産の寺として知られ面白い風習を残しています。 寺から頂いた 「しゃもじ」 で夫
婦仲良く食事をすると子供を授かるのだとか。  お礼に納めた、新しい 「しゃもじ」 に焼き印を
押し別の希望者に渡し御利益をつないでいくそうです。
  山深く緑に囲まれた境内の左奥には沢山の観音像が立ち並んでいた。

  所在地 愛媛県川之江市金田町                             


 遍路道中図   四国遍路表紙